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悪魔から言い渡された極秘ミッションを遂行していくにあたって、俺がアジトとして選んだ場所、その名も・・・。
「メゾン・キャロル」
日本の伝説的ロックバンド「キャロル」をそのまま名前に取り入れたこのアパートは、なぜか全壁黄色塗りで、
ロック=黒
という俺の概念に完璧に反したカラーリングをしている。
そんなアジトに住み着いてから、はやくも、もう二週間が過ぎようとしていた。
別に不安もなかった親元を離れての一人暮らしだったが、それも段々と軌道にのりはじめ、専門学生としてのキャンパスライフも充実したものになっていた。
毎晩誰かの家に集まり、うまいとも思わない酒を買い込んでは、夜通しばか騒ぎをする。
なにもかもが自由。
こんな毎日がずっと続きそうな、そんな感じがしていた・・・。
そんなある土曜日・・・。
落ち着かない・・・。
それもそのはず・・・。
その日、「クラブ、ナインホール」と言う場所では、悪魔の悪魔達による、ルームツーロックという悪魔崇拝的イベントがとりおこなわれようとしていたのである。
そしてその儀式の一番の見所は「グレッションズ」という悪魔崇拝楽団の生演奏。
ジャンル的に言えばロカビリーで、数枚音源はもっているが、かなりかっこいいバンドだ。
俺は今宵、その悪魔崇拝イベントに足を運ぶ計画を立てていたのだった。
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