JET-2 野望

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やたらと下がうるさい、どうやら親父が帰ってきたようだ。 暗い部屋のベットの上で騒々しさに目をさます。 親父が帰ってきたってことはたぶん、八時くらいか?そんな事を思う。 どうやら 「急に雨が振り出して、傘もないからびしょぬれだよ」 みたいな、そんな感じの事でギャーギャー言ってるらしい。 家の親父はやけに声がでかいし大げさだだから、二階にいても静かにしてりゃあつつぬけだ。 どーやら外は雨がふっているらしい。 ちらっとカーテンをあける。 街頭に照らされながら、その光の道を一瞬雨が通り過ぎ、力なく地面にぶつかっている。 どうやら若干雪も交じっているようだ。 雨音はまんざら嫌いでもない。 すこし布団にくるまって雨音を聞く。 下ではまだ親父騒いでいる。 東北の春はまだまだ遠く、三月に入っても、時折こんな雨が降る。 そんな季節だった。 とりあえず布団をでる。 部屋の片隅で聖なる燈を燃やしているストーブもいつのまにか給油ランプをちかちかさせていた。 「給油かよ」 そうつぶやいてスイッチを切る。 部屋をでると下で騒いでいる親父の声が、また大きく聞こえる。 「おぉ、起きたか、いやぁ父さん雨にふられてなぁ、いやぁ大変だったよ」 「へぇ」 おやじが雨に打たれるとかまぁどーでもいい話だった。 とりあえず風邪はひかないだろう。
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