JET-2 野望

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俺はこの春から東京へ行く。 世に言う上京ってやつだ。 俺は東京と言う大帝国で最強のメンバーを揃え、完全無敵のロックバンドを結成する。 そしてそこを発進元に日本全土、いや全世界をロックの波に飲み込むという、地上最悪の極秘ミッションを遂行しようと企んでいる。 まぁでも実際のところは東京の専門学校に入って、卒業後は雑誌の編集社に、なんて建前を親の前では演じている。 とりあえず学校はしっかり卒業する気ではいるが、あくまでも建前は建前、俺には悪の秘密組織から言い渡された極秘ミッションの方が、大学でのお勉強よりも数億倍も価値があり、数兆倍も興味深いものだった。 「あんた今日もバイトなの?」 母親が、椅子に座って悪の妄想にふけっている俺に話し掛ける。 「ん?、あぁ、、そう」 そぅ、俺は今バイトをしている。 つい一週間前まで高校生の自分にとって夜の世界ってのは大変神秘的で興味深く、あこがれの時間だった。 今まで自然の低利に従い、太陽が登ったら起きだして、太陽が沈んだら布団に着く。 そんな日々を当たり前のように送ってきたが、いったい俺が寝ている間に世の中ではどんなことが起こっているのか? もしかしたら俺の全く知らない未知の生物があちらこちらから現れ、なにやらやばい事をしたり、となりの花屋さんの伯父さんが宇宙人と交信したりしているのかもしれない・・・。
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