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そんな謎めいた深夜の世界の状況を俺はどうしても知りたかった。
まぁ早い話が普通とは違う時間帯に働くということにあこがれを抱いていたんだ。
そこで俺が選んだのが町に一つしかない深夜のコンビニのバイトってわけだ。
だがこれはかなり大きな誤算だった。
卒業式を終え、上京までの約一ヵ月間、友達は何をするかというと、遊びに遊ぶ。
とりあえず車の免許も取ったわけだし、高校も卒業したわけだし、早い話がやりたい放題。
やれ今日はどこへ買い物だとか、やれ今日はどこそこまで映画を見にいくだとか、やれ今日はどこそこまでドライブだ、とか・・・。
みんな朝早くから起きだし、残された時間を目いっぱい楽しむ。
俺はというと、みんなが遊び疲れてそろそろ寝るか、なんて時に出勤し、みんながさぁ!今日も遊ぶかー!なんて時に眠りにつく、つまり昼夜逆転。
残された最後の地元の生活を全く満喫できん。
夢うつつでそんな友達をうらやましく思いながら、結局眠気には勝てず落ちていく・・・。
いまさらになってそんな事を愚痴っても仕方がない、あと3日も行けばバイト終了で、その2日後には旅立っちまうってわけだ。
そんな事をぐずぐず考えながら夕食に手を付けた。
母手作りのコロッケはやっぱりうまい。
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