JET-2 野望

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夕食をすませ、ひとしきり家族との団欒を終えると、時計はもう11時をまわっていた。 俺は部屋に入りバイトに行く準備をする、そういえばストーブが灯油切れだった。 帰ってきてからつめるのもだるいが、今つめるのもだるい。 だれがつめてくれるわけでもないからしかなく灯油タンクを持って下に降りる。 母親が早い朝にそなえて寝る準備をしていた。 「気を付けていきなさいね」 「はいよ」 背中ごしにそんな言葉をかわして母親は二階へ上がっていった。 台所では将棋の本を片手に親父の晩酌が延長戦へと突入している。 灯油をつめ終え二階へ上がる。 スゥェットに袖を通し、ジャケットを羽織った。 バイト着の入ったリュックを背負って玄関に行く。 それに気付いて 「お、気をつけてなぁ」 親父が台所から声をかけた。 「はいよー」 そんな返事を返して家を出る。 雪混じりの雨はいつのまにかぼた雪にかわっていた。 深夜になってまたさらに気温が下がったらしい。 三月といえど東北のこの時期はまだまだ冬みたいなものだ。 バイト先までは歩いて大体10分~15分くらいのもので、その時間を有意義なものにするためにはディスクマンは必要不可欠のものだった。
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