第一章 序章

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19**年、ロンドンの小さい村にジェフとジュリーという兄妹が両親と共に暮らしていた。 彼らは特別貧乏でも、裕福でもない普通の家庭だった。 ある事件が起きるまでは… ある朝、兄妹は仲良く学校への道のりを歩いていた。 昨晩雨が降ったのだろう、道はぬかるんでいて、所々で蛙声を張り上げ泣いていた。 長い一本道を歩いていると、ジュリーが突然立ち止まった。 「お兄ちゃん、変な箱が落ちてるよ。」 ジュリーがそういうので、指差す方に眼を凝らした。 そこには明らかに不自然な形・色をした箱がポツンと置いてあった。 その箱の形は何かで叩かれたようにボコボコになっていて、色は虹色にくすみのかかったような色をしている。 ジュリーがそれを拾い上げ、ジェフに手渡した。 ジェフが箱を開けようとしたが、箱は開かなかった。 「遅刻するから早く行かないと」、ジェフはそう言いながら箱をバッグにしまって、学校への道のりを歩いて行った。
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