誕生日

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「俺は最低だから」 ……タキ? 「だからさつきを病院に連れて行けない」 「わたしは病院になんか行きたくない」 本当のことなのにタキは悲しい顔をした。 自分を責めるようなそんな顔。 「さつき、俺は貧乏な泥棒なんだ」 タキが遠い所に行くみたいで恐くなって抱き着くとタキの顔が見えなくなった。 見えないけど泣いてることは分かった。 「ごめんなさい。もうケガなんかしないから、だから……」 捨てないで。 そう言おうと思ったのに意識が途切れてしまった。 タキが泣いてても尚、しっかり押さえてくれてる腕が大きな脈に合わせてどんどん血を流してしまったから。
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