鬼のよしはると秘密の部屋

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「私、鬼ヶ島で受付の仕事してたんです」 よしはるは戸棚を勝手に漁っています。 「受付とかあんの?」 美嘉は煎餅を独り占めしています。 「観光地ですから」 よしはるは茶菓子を諦めて座りました。 というか、さらりと凄い事をぶっちゃけました。 今の鬼ヶ島は観光地になった様です。 「ある日、私がトイレに行こうと廊下を歩いていたら……一つの部屋の前でキョロキョロしてる社長を見つけたんです」 「行ってきま~す」 よしあきは言いました。 「好奇心に負けた私は社長が入った部屋を覗いたんです」 「へぇ~ それで~?」 「バイトの帰りにドドリアとデートしてくるね」 「社長が……満面の笑顔で同人誌を書いてたんです」 「えぇ~、超キモ~い」 よしあきは完全に無視られています。 「イジメよくない‼」 「吐き気がした私は…転んでしまい……社長にバレたんです」 「それでクビに………」 「もういいもん‼  こんな家、出ていってやる‼ 夕飯までには帰って来てやる‼ ハンバーグがいいな‼」 よしあきは叫びながら洞窟を飛び出しました。
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