四 傀儡

34/37
前へ
/364ページ
次へ
慌てて敬礼すると、少年は、仲間の元へと走って行った。 その後ろ姿を見送りながら、アキラはデューイが言っていた事を思い出す。 フィリアは、君よりも俺を選んだー 「君よりも、俺を選んだ……?」 どういう事だ? 同時に、フィリアが何度も口にしていた言葉(もの)が重なる。 デューイが守ってくれるから…… 「デューイ……フィリア……」 二人の姿に、一抹の不安が脳裏を過ぎる。 (まさか……考え過ぎだ) 頭を振り、微かな予感を拭い去る。 そして星の無い虚空をひとしきり睨むと、決意を新たにゆっくりと歩き出したー
/364ページ

最初のコメントを投稿しよう!

237人が本棚に入れています
本棚に追加