四 傀儡

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名を呼ぶと、ビクリと肩を震わせ顔を上げた。 「……フィリ、ア」 掠れた返答にうっすら微笑むと、デューイの傍らに膝をつく。 夜目にも判るその表情は、苦痛と悲しみに満ちていた。 「殺して、しまった。この手で…仲間を……っ!」 うつむき加減に目を伏せていたデューイは、堪えていた感情(おもい)を爆発させる。 「殺したくなかった!本当は、殺したくなかったんだ!!けどっ」 「分かってるわ。デューイは優しいもの……。誰も傷つけたくなかった、戦いたくなかったのよね」 固く握って震わす拳をそっと両手で包み込むと、優しげに囁いた。 「デューイは何も悪くないわ。私や、皆を守る為に戦ってくれたんだもの」 「……」 「悪いのはアイツ等よ。デューイの思いを分かってくれないアイツ等……。だから、あなたが苦しむ必要は無いのよ」 言い、涙で濡れた頬にそっと触れた。 「それでも、どうしても辛かったら、我慢しなくていいから…」 「!っ……」 私の前では、泣いてもいい…… ずっと側にいる…… そんな優しい言葉に一気に目頭が熱くなり、フィリアの体にしがみついた。
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