一 終わりの始まり

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パパが可哀相。と、声を詰まらせ、膝の上に置いた両手を強く握りしめた。 信じられなかった。涙を流す事も、悲しい素振りすら見せずに口にした弟の言葉が… 自分が一番不幸? 可哀相? そうじゃない! (私は、パパが死んで悲しいから…) ただ、それだけ… (私は何も悪くない…間違ってない!) 「我を通してる限り、フィリアには他人の痛みは理解出来ない…か」 「!っ」 弟が口にした言葉(もの)と同じそれを耳にし、フィリアは反射的に顔を上げた。 「まだ12だというのに、レンはしっかりしているな。自分の事よりも、他人の事を思いやっている。それに…辛い表情(かお)一つ見せない。本当に、強い奴だ」 「…強くなんてないわ。あの子は、ただの冷たい子よ」 「フィリア」
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