一 終わりの始まり

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鳴り響く警報音(サイレン)。 傷を負った弟を抱きながら、少女は悲痛の声を上げる。目の前に広がる惨状が心を支配した。 「なにを、している…早く、逃げろ…」 ゴボリと血を吐きながら、男が少女に告げる。 「レンを、死なせるな…今なら、まだ、間に合う…」 「パパ…っ」 「お前達は、死んではならない…生き延びて、いつか、必ず…」 背後から突き出された凶器は、男の胸を貫いて血を滴らせている。
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