一 終わりの始まり

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思わぬ一言に、フィリアは顔を上げる。 大きく見開いた目に映る姿は、いつにも増して真剣なもの。曇りない瞳で自分を見つめている。 「君の家族はレンだけじゃない。俺が家族になって、君やレンを守る」 「アキラ…」 「おじさんの時みたいな思いはさせない。絶対に」 「…本当?」 潤んだ瞳で訊く。 「本当に、守ってくれる?アイツらからも?」 「ああ」 「嬉しい」 力強い返答に、花のような微笑みを浮かべて抱きついた。アキラも、それに応えて抱きしめ返す。 「きっと、父さんと母さんも喜ぶ。これからは、俺の家族が君の家族だ」 そして二人は、どちらからともなく唇を重ねた―
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