一 終わりの始まり

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「だから、平気だよ。どんな酷い事言われたって、側にいられなくなるよりはずっとマシさ」 「……」 邪気の無い笑顔で言われ、デューイは思った。この少年にとって姉が総てなのだ、と。 あの少女の為だけに生きようとしている。父の死よりも姉の側にいられなくなる事が、この少年には堪え難い苦しみなのだ。 すると、デューイはフッと口元を緩めた。 「レンは、フィリアが大好きなんだな」 「当たり前だよ、自慢の姉ちゃんだもの。少し無神経なとこあるけど…俺、姉ちゃんがフィリアで良かったって思ってるんだ。今では、死んだ母さんに感謝してるくらいさ」
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