一 終わりの始まり

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「感謝?」 「フィリアの弟に産んでくれてありがとう…ってさ」 と、レンは照れを隠すように天井を見上げてそう言った。 そんな姿を、デューイは微笑ましく思う。 あの少女は、この少年をも癒していたのだ。 やっぱり、フィリアは… と、何かを口にしようとしたその時! 「どうした、レン」 そう、声を掛けた。 苦痛に顔を歪め、頭を押さえていたからだ。 「傷が痛むのか?」 「ううん……ちょっとした、偏頭痛だよ。最近、よくあるんだ。毎日、検査で疲れてるから…」
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