237人が本棚に入れています
本棚に追加
「……」
「大丈夫だよ、デューイ兄ちゃん」
休んでれば治るよ。
心配そうに見つめるデューイに、レンは笑ってみせた。
疲れてるだけ
本当にそうなのだろうか。と、少年の笑顔に微かな胸騒ぎを覚えた。が、
「デューイ兄ちゃん、今日はありがとう。話、聞いてくれて。なんか、すっきりした」
「レン」
「けど、すっきりしたら、眠くなってきた」
安心したせいかな。と、欠伸しながら横になる。
その行動を、自分に対する退室を意味するものだと感じたデューイは、不安を呑み込み背を向けた。そして、
「…ゆっくり休め」
一瞬だけ振り返ると、病室を後にした。
「……」
ベッドの中で来客を見送ったレンは瞬時に笑みを消し、両手で顔を覆う。
「…まいったなぁ」
自然と溜め息が洩れた。
目が、霞む…
最初のコメントを投稿しよう!