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あたし達は妖崎商店街にていい感じの店を見つけては次々と歩き回っていた。
「くはーっ!!
やっぱ店まわるのたのしいねぇっ♪」
麗花はどこにそんな金あるんだって聞きたくなるほど可愛い物……基(モトイ)不気味な、麗花の趣味を疑いたくなるような物をバンバンと買っていた。
まぁ‥‥あたしにとっては相変わらずだなぁって話なんだけど
あたしはあたしで美味そうな物見つけたら片っ端から買って食っていた。
「うほっ!
これうめーっ!!!!」
クレープに似たでも、ちっと風味がまた絶妙に違うモチ生地に色々なものを詰めて食べる物を絶賛して叫んだ
すると麗花から返事が無い
まわりを見回しても姿が見えない
〔まさか…はぐれた!?〕
その直感は見事命中でケータイを取り出そうとしたが、今朝の衝撃で故障中だという事を思い出し、諦めうなだれる。
「どぉしよ~‥‥」
ここにいてもしょうがないので帰って家から電話しようと帰路につこうとしたら
「どーしたんだい?お嬢ちゃん」
シャレた感じのにいちゃんが優しく声をかけてきた。
いや‥‥声の掛け方はもちょっと学習したほうがいいかもしれない‥‥
洒落た所か寒気が‥‥あえてつっこむまい
顔がいいから許す
〔誰だろ…?〕
「友達とはぐれたのかい?」
「‥‥はい。」
「じゃあおにーさんたちが一緒に探してあげよっかぁ」
「え‥そんな‥‥
悪いですよ」
「いいって、いいって
気にすんなよ。かわいい女の子が困ってんなら助けるのが男の道だぜ!」
ぶるるっ
やばい‥‥今の台詞は流石のあたしも鳥肌が‥‥っ
恐るべし‥‥顔だけイケメン‥‥
「やっぱり結構で……――――」
ニコニコと笑いながら優しく言ってくれるお兄さん
その手元に目がくらんだ
「それは会員が並んでも手に入らなかったという幻の某有名菓子メーカーの限定商品!!」
つい叫んでしまう程
食べたい……!
「あぁ……歩きながら一緒に食べる?」
〔いい人だ………っ!!〕
あぁ‥‥っ
彼の背中から後光が見える‥‥っ
「是非っ!お願いしますっ!!
一生付いていきます!
もぅ‥‥っ
憑きますっ!取り憑きます!」
「あはは‥‥っ
俺、雅樹
よろしくなっ♪行こ!」
「はぁ~いっ!」
雅樹様に手を引かれて食べ物に目がないあたしは歩き出した
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