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廃棄倉庫内の視線が一点に集中する
扉の縁を殴りつけている人影が見えた
「そいつ……
離してやってくんない?」
屋内にいる為か光の加減で顔がよく見えない
「はぁ?
今取り込み中なんで後にしてくんない?」
「‥‥たす‥け‥‥」
あたしは助けを求めた。
誰だかわからない奴に
誰でもいいから助けてほしい
すると中に堂々と入ってきてあたしと押し倒してる男の側まで歩みを進めた
下から見ているからか背が高い
髪はワックスで控えめにツンツンとさせている
いわゆる無造作ヘア
大人のような子供のような中途半端な独特な雰囲気を持っている
だが今は大人の雰囲気のが勝っている様だ
彼はあたしに笑顔を向けた
「素直に了承してくれないみたいだからちょっと待っててな♪
……それと、目つぶってて」
あたしは静かにうなずいて目を閉じた
あいつの最後の言葉には有無を言わさないそんな威圧感があって……
それでいてどこか優しい‥‥。
廃棄倉庫内にいた男の中の1人が吠えた
「自分の立場わかってる?」
そんなお約束のセリフが耳にはいる
「お姫様を助けにきた下級Knightだぜっ!」
なんてきどった言葉だ……
でも、今ならなんとなく許せる
「きどってんじゃねーよっ!!
やっちまえっ!!!!」
その言葉を合図に人を殴る独特の嫌な音が響きはじめた
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