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息も絶え絶えの中、先にしゃべったのは圭介だ
「ったく、なにやってんだお前。あんなところで、もしあのとき俺が気づかなかったらどうなってたか、わかってんのか」
「……ごめん。」
「ごめんじゃないょ、いったいどうなってんだ。」
「……………………………………実は…。」
私はタクマとのいきさつをゆっくり話はじめた。
話終わると、
二人の間に沈黙が流れる。
「はははぁ、私ってやっぱりバカだょね。こんなやすっぽい女相手する奴なんていないのにね。夢みちゃたりするから変な事に巻き込まれだょね、はははぁ…」
言葉とは裏腹に、顔をつたる雫。さっきの恐怖が今頃やってきて、振るえる手足。
圭介にこんな姿を見せてしまったのは初めてだぁ。恥ずかしくなり、目を強くこすり誤魔化そうとするも、涙が止まらなぃ。
「ごめんね、変だね私。はははぁ…、なに純情気どって…!!」
話を終わらせる前に圭介が、私を抱きしめていた。
「バカ!!俺の前でも強がってんじゃねーよ。普通付き合ってて裏切られたら、傷つくじゃん。お前は1人で抱え込んでないで、俺にくらい弱音はけょ。本当バカだなぁ」
「どうせバカだもん…」
私はそのまま圭介の胸の中で泣き続けた。
気がつくと圭介の肩に寄りかかり眠っていた私。
「ごめん寝ちゃってたんだ私。」
肩には圭介のシャツがかかっいて、圭介はさっき私が濡らしてしまったTシャツ1枚でいた。
「本当よく眠って、よだれ垂れてたぞ」
「えっ!!嘘。」
思わず、口を確かめるが何もない。嘘だ!!
「もぉ~なにもついてないじゃん」
手を振り上げる私より、早く圭介が私の頭を撫でてくれた。
「よし、いつもの美香じゃん。元気になった事だし帰るかぁ」
時計を見ると⑫時を回っていた。
「わぁ、もうこんな時間。ごめ…」
ごめんと言いかけ手で口を塞がれる。
「もぅ今日はごめんはなし。ほら帰るぞ」
と手を繋いでくる圭介。
えぇっ、手って。
圭介今日はなんだか違う…。
恥ずかしくなり、俯き歩く私を圭介が引っ張っててくれる。
なんだろ、ヤバいドキドキするょ…(>_<)
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