現実

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「さくらさんは今、好きな人とかいるの?」  急に聞かれて思わず焦る。  聞いてきたのはあたしの目の前に座っている、一見地味目だけど、一番話しやすいかな?と思っている男の子だ。 「いるんだ?」  答えられない私に彼はそう続けた。 「んーん、全然いないの!」  我ながら不自然なまでに全力で否定してしまった。 「そうなんだ」  彼は少し笑って言った。  別に笑わなくてもいいじゃん。  微妙に不機嫌になってしまった。  それからまたあたしはあまり話さなくなり、その日の合コンはお決まりで交換したメルアドの他には特に収穫もなく、家に帰ることになった。  りっちゃんに言わせてみたら、『30点の赤点だからね!』だそうな。  まだまだ新しい恋への道は遠いみたい。  はぁ
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