子供だけの国

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 国内を散々走り回って、あたりはすっかり真っ暗になっていた。 着いた宿にも大人の姿はなく、従業員も子供だけだった。  キノは気にもせず宿の受付を済ませ、自分の部屋でエルメスの荷物をおろし始めた。 「キノー、なんでさっき聞かなかったの?」 キノはシャワーを浴びるために着替えを持って浴室へ歩いていきながら、 「あっ、忘れてた」 「も~、キノ~!」 「大丈夫だよ。まだ日はある」  しばらくシャワーを浴びて戻ってきたキノはそのまま大きなベッドに倒れこんだ。 エルメスが話しかけたときには静かな寝息を立てて眠っていた。
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