旅路の先に・a 

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 男は食われていた。 頬の肉は噛み千切られ、両足は白い骨が見えている。 そして右腕はなくなっていた。  周りには数匹の狼が群がっている。 どうやら男はパースエイダーで撃たれたらしい弾痕が複数あった。  すると、一匹の狼がキノへ顔を向けた。 しかし、また彼らの食料へ顔を戻す。  キノは茂みから離れてエルメスの元へゆっくりと戻っていった。 「なんだったの?」 「ただの狼が食事をとっていただけだよ」 「ふーん」
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