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「ふぅ~、セーフ。」
学校へ着いたのは授業開始から30分後だった。
この授業は出席を開始30分後に取り始めるので助かった。
「遅かったな!」
悪友の圭太が不機嫌そうに言ってきた。
まあ不機嫌な理由は大方の想像はつく。
「遅れるなんて珍しいね、拓也君♪」
そう言ってきたのは、以前入っていたサークルにいた真希ちゃんだ。
俺は生活費を稼がないといけないのでサークルを抜けたが、専攻が同じなので今でもこうして普通に接してくれる。
学生の中で俺と会話してくれる唯一の女の子で、実は俺が密かに好意を寄せている子だ。
「あ、おはよう真希ちゃん♪」
軽く挨拶をして俺は席についた。
「お前、やっぱりユイちゃんと生活してるのか?」
座った途端、圭太は俺に聞いてきた。
「あぁ…」
ただ肯定しただけで、他にどんな事を言えば良いかわからなかった。
「そうか。大事にしてやれよ。」
圭太は以外にもあっさり話を切り上げた。
それから昼になり、俺と圭太と智也と真希ちゃんの4人で弁当を買って一緒に食べる。
これが今の俺達にとって当たり前の事だった。
そう、今日あれを見つけるまでは…
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