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「さてと!それじゃあ弁当買いに行くか♪」
そう言ったものの、今日慌てて家を出てきた俺は財布を忘れた事に気付いた。
俺は圭太の方へ視線をやった。
「なあ圭太…」
「断る!」
まだ何も言ってないのに圭太は答えた。
チッ!
こいつに金を借りようと思ったのを見抜かれていたか。
智也は…金の貸し借りには五月蠅いから出来れば借りたくない。
残るは真希ちゃんか。
どうしよう…
やはり好きな女の子に金を借りるなんてしたくない。
俺は仕方なく、大学専用のクレジットカードを出そうとカバンに手を突っ込んだ。
「ん?なんだこれ?」
教科書でも筆箱でもない感触があった。
俺はそれを取り出してみた。
「お前、今日は弁当持参かよ!」
なぜか俺のカバンには弁当が入っていた。
「でも、お弁当を作って遅刻するなんて、拓也君って変わってるね♪」
ぬぉぉぉおおお!
違うんだ真希ちゃん!
これは間違いなくユイの仕業だ。
だが、家にメイドがいるなんて真希ちゃんには口が裂けても言えない。
「そうか!ユイちゃんに作ってもらったんだな!くそぉ~!羨ましいぜ!」
圭太が言いやがった。
こいつの口を裂いてやろうかと、一瞬本気で迷った。
空気読めよ!
このKYめ!
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