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「すいませ~ん。」
他の客が店員を呼ぶ声が聞こえた。
「は~い♪」
その声に反応してユイが向かった。
ナイスタイミングだオッさん!
オッさんのおかげで、俺はこの地獄からなんとか解放されたのだ。
俺は心の中で客のオッさんに感謝した。
そして、静かになったところで俺たちは勉強を始めた。
しばらく何事もなく勉強していると
「なあ、拓也?」
「んあ?」
突然の圭太の呼び掛けに間抜けな返事をしてしまった。
「お前、ユイちゃんがここで働いてるって知らなかったのか?」
「今日俺も初めて知ったんだ。」
そう答えたら、少し神妙な顔つきになった。
「お前、冷たい奴だな。」
なぜかとても悲しそうに圭太はそう言った。
この時、圭太が何を思ってこんな事を言ったかは、俺にはわからなかった。
しかし、すぐにいつもの圭太にもどり
「さて!勉強再開といきますか☆」
「あ、ああ。そうだな。」
また俺たちは勉強をし始め、この日は充実したものとなった。
そして、帰るとき既にユイはバイトの時間が終わり、俺を待っていた。
「じゃあね♪ごゆっくり~♪」
「じゃあな☆」
なぜか殺気のこもった真希ちゃんの笑顔と圭太に見送られ、俺はユイと帰宅した。
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