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突然の蘇生から3日が経過した。
驚いたことに今は2020年1月3日だという。
そして、どうやらオレの名前は斉藤貴司と言うらしい。
これらは全てオレの手を握っていたミキと名乗る女性(どうやら彼女らしい)が教えてくれた。
肩にはまだ夢鬼とか言う未確認生物が乗っていた。
「困ったなぁ~。
オレとしたことがまさか違う人物に魂入れちまうとはなぁ…」
夢鬼の説明によると、枕返しと言う妖怪は寝ている人の魂を抜き取り、未来の世界(パラレルワールド)の本人の体に入れる妖怪らしい。
だが今回はこのバカ(夢鬼)が体を間違え、死んだはずの斉藤貴司という全くの別人の体にオレの魂を入れてしまったらしい。
(備考 夢鬼はオレ以外には見えてない)
「ホントにすまん💦
こんなはずじゃなかったんだ💦」
っと夢鬼は謝り続けている。
ミキは毎日ここに来てオレの世話をしてくれている。
だが、不思議な事に両親が一度もお見舞いに来ない。
ミキに聞いてみてもいいが、なぜか聞いてはいけないような空気が辺りに漂っていて聞くわけにはいかなかった。
「でもホントよかったぁ~。貴士がバイク事故ったって聞いたときはびっくりしたもん💦」
「ん…まぁオレもビックリしたよ💧」
とりあえずオレは貴司とかいう人物になりきっておく事にした。
「オレの名前は佐久間拓也です」何て言ったら色々と面倒になるからそうしとけと夢鬼に言われたからだ。
「ちょっとトイレ行ってくるね🎵
貴司はちゃんと寝てるんだよ~」
タッタッタッ…
ミキが病室のから出ていった。
それを見図ったように夢鬼が語り始めた。
「本来ならすぐにでも元の世界に返してやりたいんだがなぁ😅
お前の魂がこの体と馴染んでしまって、抜き取れねぇんだよ😅」
…なんだと?
「はぁ⁉
どういうことだ⁉この体から出られないだと⁉⁉」
「うん…」
ばつが悪そうな夢鬼。どうやらマジらしい。
「どうしてくれるんだよ‼
オレにはまだやり残したことが山ほどあるんだぞ‼‼」
オレはまだ17歳。
彼女も作ってないし見たいテレビ番組もある。
それをこのバカが…
「この貴司ってやつはホントに死んでるんだ。でも、体にまだ無念が残っててそれをなんとかしないとお前の魂を抜き取れないんだよ。」
つまりは、この体の主のやりたかったことをやらないとオレは帰れないってことだ。
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