最前線

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最前線

もうこれで何度目だろうか…この場から逃げ出したいと思ったのは…。ここは…地獄だ。 アリア歴300年。五年前に起きた小国二国間の争い…なんて事はない小競り合いのはずだった… そう「だった」のだ。小さな火種が、たまたま違う所へ飛んだだけだ。小さな火種は、瞬く間に大火になった。それは大陸全土を巻き込む、泥沼の大戦争になったのである。五年経った今、小さな火種だった二国は、とうに滅びている。滅んだの二国だけじゃない。数多くあった国のほとんどが滅んだ。残った国は、僅か五つ。 北のアースグレイル。西のラグル王国。 東のリーブルザイト帝国。 南のバルハラ。東西南北に拠を構える四大大国。 そして四方囲まれる形で中央に領土を持つ小国があった。 ザブル王国である。 国力でいえば、圧倒的に不利なザブル王国である。では、何故今日まで生き長らえる事が出来たか?それは、三軍師と三将軍と呼ばれる者の働きが大きい。大事な、負けられない戦の時は必ず駆け付け、国を守り抜く。正にこの王国が誇る六大英雄なのである。しかしこのザブル王国は、他の国にとって涎が出る程欲しい場所である。六大英雄を始め、人材豊富、資源も豊か、何より、この場所を手中に納めれば、他国への牽制、攻撃が容易になり、他の国との差を広げ、有利な立場に立つ事ができるのだ。よって、ザブル王国の将兵達は、常に最前線に立つ事になる。そしてその戦線を維持しなければいけないのだ。出来ないイコール国が滅びる事になるからだ。 どの戦場も酷いものだろうが、ここは特に酷かった。まるで地獄絵図を見ているような…いや、そんな生易しいものではない。 ここは正に地獄…
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