発端

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発端

今から200年も前に人間と魔物との停戦協定が結ばれ、世界には平和がもたらされた。 最初は差別や不満もあったが、今では、人間と魔物がともに働いている姿も見られるようになった。 ―――しかし――― それによって暇になってしまった者がいた。 魔物を従え、悪の限りを尽くすはずだった魔王。 さらわれ、幽閉されながら、勇者に助け出される時を待つはずだった王女。 ただ並べられた仕事をする退屈な毎日に二人はうんざりしていた。 「何かスリルのある面白いことはないのかしら?」 王女は言った。 誰かが聞いていれば罰当たりと言われるだろう、と思った。 「大臣辺りが{魔王に○○されますよー}とかね。・・・・・魔王?そうね。魔王と連絡を取ってみようかしら!ウン・絶対面白い!」 王女はすぐにペンを取って、短い手紙を書き上げた。召し使いを呼び、送らせた。 この時、召し使いは、自分の持っている手紙のせいで大事件が起こるなど知るよしもなかった・・・
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