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魔王の勘違いⅡ~in ダリオ城~
「フウ、こんなものか」
眠ったダリオ軍兵士の山の真ん中で、フェイドは息をついた。
ダリオから攻撃中止命令が届く前に、フェイドは城を制圧してしまったのだ。平和な世界の軍で、魔王に勝てるはずがない。
唖然としている大臣に、ようやくダリオからの知らせが届いたが、その意味も大臣は理解できなかった。
魔王は大臣のところへ歩み寄る。大臣は死を覚悟し目をつぶった。
「非礼を詫びよう。しかしなぜそちらも助けに来た私を攻撃したのだ?」
・・・・・・・は?
大臣は頭が回らなかった。フェイドは続けて聞いた。
「ダリオ殿とリデル殿は今どこにおられる?」
大臣は考えるのがめんどくさくなって、とりあえず答えることにした。
「・・・北の都・・・」
フェイドは驚いた。
北の都といえば良き国王がいることで有名だ。
まさか北の国が黒幕とは!
フェイドは急いで北へ向かって飛びたった。
「・・・リデル様はお見合い・・・」
もちろん、放心状態の大臣の言葉など、聞いているはずもなかった。
こうして北の国にあらぬ疑いがかかるのだった。
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