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魔王の元にドラゴン便(速達のようなもの)が届いたのは約3時間後のことだった。
「また食事か?堅苦しいから嫌いなんだが」
平和になった世界では、大した問題もなく、
来る手紙は大抵、親交を深めるためのパーティーへのご招待というものだった。
一度すっぽかしたことがあった。そのときは、「魔物が戦争を起こそうとしている」という勘違いにより、大混乱になってしまった。
それ以来、パーティーを断ることも出来なくなってしまった。
「どれどれ。今度はどこに行けばいいんだ?」
魔王が雑に手紙の封を切る。
アクビをしながら魔王は、何かがおかしいことに気付く。
短い
筆跡が堅苦しくなく、丸い
パーティーの場所ではなく
~王女リデルと言います。今年で18になります。退屈です。文通をしませんか?~
と書いてある
魔王は短い手紙を何度も読んだ。そして
・・・文通か。面白そうだ。そうつぶやくとペンを取り出した。
「魔王フェイドといいます。人間でいうと20くらいで・・・」
こうして魔王と王女の不思議な文通が始まった。
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