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二人の文通は、すごいスピードで進んでいた。
「趣味は?」
「好きな食べ物は?」
「好きな言葉は?」
「悩みは?」
「夢は?」
「小さい頃の思い出は?」
小さなやりとりを繰り返し、次第に意気投合していった。
一ヶ月もしたころには二人とも同じことを考えるようになった。
―――会いたい―――
しかし、出来ないことも悟っていた。片や王女。片や魔王。二人で会うと言ったら周りになんと言われることか。
そんな願いを捨てきれず、文通を続け、いつしか相手に恋に似た感情を抱き始めたのだった。
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