救難信号

3/4

25人が本棚に入れています
本棚に追加
/27ページ
「・・・・・。」 ダリオは黙り込んでしまった。 (もう・・・でも、どうやら当たってるみたいね。お父様は、ウソをつくときや、ごまかそうとするときヒゲをいじる癖がある。さっさと終らせちゃいましょう。) リデルは続けて聞いた。 「で、今度はどこの王子様かしら?」 ダリオはしばらく答えなかった。何故かはわからないが、嫌な予感がした。 ダリオはすまなそうな顔をして言った。 「・・・王子ではないんじゃ」 リデルの嫌な予感は的中した。まさか・・・そんな! 恐る恐る、リデルは聞いた。 「・・・では、誰なのですか?」 本当は分かっていた。でも聞き返さずにはいれなかった。ダリオはゆっくりと、諭すように答えた。 「・・・今度のお見合いは3日後――」 分かっている。自分の嫌な予感は外れたことがないでも―――信じたくない。 「――北の国の都の宮殿で――」 王女である自分が王子以外と結婚させられる相手といえば、もう選択肢はさほど残っていない。 「――北の国の国王とお見合いをしてもらう。」 リデルは思った。 ――これなら退屈な毎日の方が100倍幸せ!
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25人が本棚に入れています
本棚に追加