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「・・・・・。」
ダリオは黙り込んでしまった。
(もう・・・でも、どうやら当たってるみたいね。お父様は、ウソをつくときや、ごまかそうとするときヒゲをいじる癖がある。さっさと終らせちゃいましょう。)
リデルは続けて聞いた。
「で、今度はどこの王子様かしら?」
ダリオはしばらく答えなかった。何故かはわからないが、嫌な予感がした。
ダリオはすまなそうな顔をして言った。
「・・・王子ではないんじゃ」
リデルの嫌な予感は的中した。まさか・・・そんな!
恐る恐る、リデルは聞いた。
「・・・では、誰なのですか?」
本当は分かっていた。でも聞き返さずにはいれなかった。ダリオはゆっくりと、諭すように答えた。
「・・・今度のお見合いは3日後――」
分かっている。自分の嫌な予感は外れたことがないでも―――信じたくない。
「――北の国の都の宮殿で――」
王女である自分が王子以外と結婚させられる相手といえば、もう選択肢はさほど残っていない。
「――北の国の国王とお見合いをしてもらう。」
リデルは思った。
――これなら退屈な毎日の方が100倍幸せ!
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