救難信号

4/4

25人が本棚に入れています
本棚に追加
/27ページ
「どうしてこう運が悪いのかしら・・・?」 ダリオが帰ってから、リデルはつぶやいた。口にしようとは思っていなかったので少し驚いた。 相手のだいたいのことは聞かされた。 お金持ちで、 国民からの人望も厚く、 世界中のどこの王族よりも理想的な・・・― ―・・・65歳のナイスミドル。 さすがにリデルも決めかねていた。 「前のお見合いは8歳の王子。 その前は私と同い年でスカートめくりが趣味の変態王子。その前は・・・・」 なんで私の周りにはまともな相手がいないのかしら? 考える度に頭が痛くなってくる。 しかし今回ばかりは断れない理由があった。 前のお見合い相手と妹が結婚してしまったのだ。 すると、 妹が結婚できて、姉が結婚できない、なんと情けないことだ! といった陰口が叩かれるようになった。 (私は気にしないけど、お父様まで馬鹿にされるのは耐えられない!) そう考えたリデルは、今回のお見合いを真剣に考えていた。でも… 「どうしたらいいの?」 リデルは決められなかった。 そして考えた末にペンを取り出して、急いで手紙を書いた。 「HELP――」
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25人が本棚に入れています
本棚に追加