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カーティスが話を続けた。
「奴は、強力な炎状の生体エネルギーを操るEF.rだ。本気を出せば、街一つも吹き飛ばせるらしい。EF犯罪集団『Menace(メナス)』を率いていたが、数百件の組織的犯罪の主犯格として、四ヶ月程前に捕らえられたのだ」
腕を組み、目を閉じながら、ジャックは自責の念が含まれた言葉を吐く。
「……俺が、昔居た組織だ」
ジャックは、できる限り話したく無いような素振りを見せ、自らの過去を、それ以上語ろうとはしなかった。
ケビンは、その事を知らなかったが、さほど気にも留めていない様子だ。適当に相槌をうっている。
カーティスが、側頭部をポリポリと掻きながら話題を変えようと腐心した。
「兎に角……我々の見解では、停電を引き起こしたEF.rは、見当が付いている。組織の自称No.2“ジャミング”・ルチアーノで間違いないと考えているが、どうだ?」
「なる程。EMPか。EFで、高電子波を発生させたんだな。そいつで間違いないな。反逆癖のある奴で、ドレイクの事をあまり良く思っていないが……きっと、上手く丸め込まれたんだろう」
「ふむ、成る程。それと、もう一つ訊いてもいいか? この写真を見てくれ」
そう言ったカーティスは、後ろを向き、職員の一人に指示を与えた。
ジャック達にほど近いモニターが起動した。其処に、一枚の写真が映し出される。
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