146人が本棚に入れています
本棚に追加
ジャックとケビンは、映し出された画像を見る。『それ』が何か、気づくのには数秒要したが、気づいた時、驚愕した。
厚さ数メートルはある巨大な壁。削り取られたように、穴が空いていた。
よほどの高熱と高圧を受けたのか、壁の破片は辺りにバラ撒かれ、中を通っていた(と思われる)合金の骨組みは、溶けて歪んでいた。
無機質な外壁に、唐突にトンネルが出来ている様は、実に異様である。
二人は、その異様な光景に、すっかり見入ってしまっていた。
カーティスが、一呼吸置き、頃合いを見計らって、画像の説明をする。
「……これが犯人達の侵入ルートだ。この角度からではわからないが、この破壊痕は刑務所内部まで、数百メートルに渡って続いている」
「ドレイクの居る所まで……か?」
「その通り。ちなみに、ここの刑務所の外壁は、戦闘機が最高速度で衝突しようとも大丈夫なように設計されている。それが、これほど気分良く破壊されるとはな」
ケビンは、二杯目のグリーンティーを口に含んだ後、ふぅんと喉を鳴らし、モニターから、ジャックへと視線を移す。
「ジャック、何か心当たりは無いのか?」
最初のコメントを投稿しよう!