cooperator "警部"

4/8
前へ
/146ページ
次へ
   塀の内側の駐車場には、何台かの警察車両と、背中に『POLICE』と大きく書かれた上着を着た、何人かの警察官がうろついていた。  ジャックとケビンは、入念なボディチェックを受けた後、刑務官の先導に従い、刑務所内部へ、歩を進める。  ちなみに、ジャックの拳銃は、ボディチェックの際、刑務所側に没収された。『相棒』が無いと、いまいち心細い。 「最初の攻撃――電磁パルスを受けた後、刑務所内部はどんな感じで?」  数百歩ほど歩いたのち、ジャックは、この若い刑務官に当時の様子を訊ねた。 「皆慌ててましたよ。停電なんて、過去に一度もありませんしね。自分は休憩室で、音楽を聞いていたんですが、停電と同時にプレイヤーも壊れたんで、こりゃあ普通じゃないなと思いまして――」刑務官は、思い出したように付け加える。 「あ、サボってた訳じゃないですよ」  その台詞に、三本目の『アルプスの天然水』を持ったケビンが、かぶせる。 「そん時に、壁が破られたわけか。休憩中で良かったな。下手に動いてたら、殺されてたぞ」  
/146ページ

最初のコメントを投稿しよう!

146人が本棚に入れています
本棚に追加