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午後二時四十分、無事、アラン・ロッキード銀行前に到着したジャックは、安堵にため息をついた。
結局、部屋の鍵が発見する事はできなかったが、あのまま鍵を探していたら、間違いなく、銀行強盗は逃げ仰せていたであろう。
苦渋の選択に、ジャックの心は穏やかでは無い。
だが、時間に遅れるのも非常にマズい。ましてや、今度の相手は銀行強盗だ。ヘタをすれば、人命にも関わる。
そしと、強盗をする位だからして、犯人は余程、己のEFに自信がある輩だ。
そんな奴が、警察に囲まれでもしたら、何をしでかすか分かったものではない。
彼は取り敢えず、道路を挟んで向かい側の建物前から、銀行を監視する事にした。
あくまでも、自然に。
――それから数分後。
平和な街の風景には、おおよそ不釣合いな黒塗りのバンがズカズカと現れ、銀行前に停車した。
ジャックは、それを訝しげに見つめていた。分かりやすい。
ジャックの予想通り、中からは、コミックキャラクターの覆面を装着した、黒ずくめの男達が、ぞろぞろと登場した。
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