昼休みと双子?

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ワイワイご飯を食べています。 「マミの卵焼きもーらい!」 「あ、ちょっと勝手にとらないでよ」 「いいなー。俺も食べてみたいなー」 「はいはい。キヨシにはあたしのやつをあげるからねー」 ミキは自分の弁当のおかずの中から卵焼きを箸で突き刺すと、キヨシの顔の前に差し出しました。 「いや、ちょっ、そこは鼻だから。だから、鼻水ついちゃうってば。今風邪気味だし」 キヨシは差し出された卵焼きと格闘しています。 「ミキ。キヨシが困ってるぞ」 「イイーンダヨ!」 「グリーンダヨ!…じゃない!良くないから。見て。この鼻水だらけの卵焼き。かわいそうに……」 「そこでキヨシものっちゃうから悪いんじゃないか?」 キヨシのノリツッコミに冷静につっこむマミ。 これもいつもの光景です。   「いい加減にしろーー!」 今まで無視され続けていたシュンがついに怒りました。 ちなみにこれもいつもの光景です。   「何が?」 マミとミキの二人による冷たい視線の質問。 「うっ……だいぶ慣れたけど……痛い!視線が痛い!」 最初にこれをやられた時は、「ヒィッ!」と言って腰を抜かしてしまいました。 そのくらい迫力のある視線なのです。 からかってるだけとはいえ、殺気がみなぎってます。 「で、どうした?」 マミからの質問。 「どうした?って……一緒にご飯を食べたいです」 「食べてるじゃん」 「じゃなくて……一緒に会話をしながらお昼ご飯を食べたいです」 正座しながらシュンが恐縮しながら言いました。 それを見ながらマミとミキは言いました。 「……このやりとりはさすがに飽きてきたね」 双子のようにピッタリと重なった声でした。 「!!」 さすがのシュンも驚きを隠せませんでした。 キーンコーンカーンコーン♪ 「あ、チャイムだ。昼休み終わったよ。戻らなきゃ」 「ヤバイ!急げ!」 キヨシはもう片付けが終わって三人のやりとりを笑顔で見てました。 ミキは残りのおかずを口に全部入れて片付けてます。 マミは「あとで食べよう」と言いながら片付けました。 三人はいそいそと教室に戻って行きました。 呆然と正座しているシュンを残して。
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