自習と双子?

3/3
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
ミキとシュンは一瞬だけ考え込んでいたマミを見てました。 「……じゃあこのうるさいやつをどっかにやったら写させてやろう」 「うるさいやつって……」 ミキはつぶやきながらシュンを見ました。 「いやいや、俺じゃなくてミキのことでしょ?」 マミはコクリとうなずきました。 「嘘っ!あたし!?」 「現にうるさいだろ。その声とか声とか声とか存在とか」 「存在がうるさいってなんだよー!」 ミキは両手を上げてワーワー騒いでます。 マミは耳を両手で塞いでアーアーと言っています。 「シュンー!早くコイツをなんとかしないと写せないぞー」 「それはマズイ!ミキ!自分の席に戻るんだ!」 シュンはミキの片手を取ると、ミキの席の方に引きずっていこうとしました。 しかし…… 「いやー!」 必死に抵抗するミキにシュンはてこずりまくりでした。 マミは二人がどたばたしてる間に、プリントの続きを始めました。 「ふぅ……やっとうるさいやつらが消えたか」 クラス中の視線はミキとシュンに注がれています。 その中にはもちろんキヨシの視線も入っています。 ちなみにキヨシはもうプリントなんて終わっています。 「シュンがんばれー」 「ミキ負けるなー」 ついには声援まで聞こえ始めました。 「みんな応援してくれてる……ミキになんか負けるもんか!」 「あたしだってシュンなんかに……!」 ミキがんばれー! シュンがんばれー! ガララララッガン! 教室のドアが勢いよく開きました。 そこに立っていたのは隣のクラスで授業していた先生でした。 「ウルサイ!!」 クラスは一瞬にして静まりました。 「そこの立ってる二人。来なさい」 ミキとシュンを見て、こっちに来いと手招きしています。 二人は顔を見合わせて、渋々先生の元に行きました。 プリントを終わらせたマミは、いつの間にかしていた耳栓を外して一息つきました。 「やっと終わった。あれ?」 二人がいないのに今初めて気付きました。 「ま、いっか」 マミは読書の世界に入りました。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!