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『あんたなんか産まなきゃ良かったっ!!』
罵声と共にバシンッと耳元に響く音、強い衝撃に頬と口内に痛みが走る。
『あんたがいなきゃあたしは幸せになれたのよ…』
酷く泥酔し涙混じりの声でそう言いその人…母親はその場に崩れる様に座りこんだ。
『あんたなんか要らない…死ねば良いのよ…』
涙が浮ぶ狂気を帯びた目であたしを強い憎しみを込め睨みつける母親。
その形相はまるで般若のようだなと、そんな母親をただぼ~と見つめ薄汚れた壁に身体を預けたままあたしは何もしない。
何かをしたところで、何が変わるわけでもない…ただ無闇に自分の身体に傷を増やすだけだ。
そう悟ってからは、ずっと成されるがままを通している。
『もう嫌…あんたなんか要らない…!!』
そう言い残し母親はあたしの髪を乱暴に鷲掴み、無理矢理立たせると玄関の扉を開くと、あたしをまるでゴミの様に投げ捨てた。
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