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『そういえばエルティア
今日はどうしたんだい?』
『何が?』
『何がって……(汗)
用事があったんじゃないのかってことだよ』
『別にないわよ
あるとしたらロキに会うことかな』
満面の笑みでエルティアは答える
『そうなんだ……(照)』
『そうよ
来ちゃまずかった?』
『そ、そんなことないよ
俺に会いに来てくれるのは嬉しいけど……その……』
『も、もしかして愛人!?
浮気してたのね!!』
『違うって
なんでそういう方に……』
『うるさ~い
浮気者~!!』
怒ったエルティアは右ストレートをロキに放つ
入った
様子を見ていたサラはそう思った
次の瞬間にはガシャーン!!というけたたましい音を立てて
ロキは窓ガラスを突き破り外に吹っ飛んだ
ニ、三秒してドゴッ!!という鈍い音が辺りに響いた
それを聞いた辺りの人々は直感した
またあの嵐が来ていると……
嵐とは言うまでもなくエルティアのことである
『姫様、お言葉ですがロキ様はこれからご公務で視察に行かれるご予定ですのでお止めなさったのです』
やっとサラが口を開いた
『そうなの!?
早く言ってよ~』
エルティアは笑いながら答える
ロキの事をもう忘れているようだ
『で?
何処へ行くの?』
興味津々な様子でエルティアが尋ねる
『ガンビィーナです』
ガンビィーナとはヴィクトール王国の東に位置する一番大きな街で街のすべてが砂漠になっている
そのため人々が暮らすのは難しく貧富の差が激しく住民の間ではいつも争いが絶えないところである
『なんでロキがそんなところに?』
『怪しい動きがあるそうだよ
俺も詳しくは知らないけど
内紛が起きそうな状況らしくてそれの調停を取り決めて来いって父上がさ……』
そう言いながらロキは
身体中埃まみれでヨロヨロと部屋に入ってくる
『内紛ですって!?』
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