穏やかな幕間

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『なんでロキが行かなきゃならないのよ!! 私が暇になるじゃない……』 不機嫌そうにエルティアが言う 『しょうがないでしょ これは公務なんだから』 それを宥める様にロキが言う 『私は護衛として行きますけどね……』 エルティアに聞こえる様にわざとらしくサラが言う 『ちょっとロキ!! どういうことよ 私よりこんな嫌味っぽい女がいいの!?』 ついにエルティアは怒り出しててしまった こうなると長い そりゃもう長い 丸一日以上を費やす 『サラさん…… エルティアで遊ぶのやめて下さいよ とばっちり受けるのは俺なんですから』 困った様にロキが言うと 『そうですね ではこんな怒りっぽいお子ちゃまは置いて行きましょう』 サラはそう言うとロキを連れて外に止めてある馬車へと向かい始めた 『やっぱりエルティアをあのままにしておくのはまずいんじゃないかな……』 ロキはサラになんとかついて来ながら言う 『なんとかなります』 サラはきっぱり答えるとロキを抱えて走り出す 『サラさん!!(汗) どうしたんですか!?』 ドドドド…… ロキがサラに聞くのと同時くらいに後ろの方から牛が突進してくる様な音が近づいてくる 『そこの女待ちなさい!! ロキを返せこの泥棒猫ー!!』 般若の様な形相でエルティアが近づいてくる様子はまさしく修羅だった…… そうこうしているうちに馬車の停めてある広場に到着して サラがロキを抱えたまま馬車に乗り込む 『久々に疲れました……』 サラが疲れを感じさせない仏頂面で言う 『俺はドッと疲れたよ』 『なんでよ? 抱えられてただけでしょ?』 『そりゃだってあんな般若の様な形相で追いかけられたら……』 急にロキが凍り付く 体は逆らおうとするが自然と顔が先程声がした方に向いていく そこには般若の様な形相をしたエルティアがいた 『誰が般若ですって!!』 『ごめん 嘘!!嘘だから許して……(汗)』 『許せるかぁぁ!!』 ドゴッ…… ロキはまたもや盛大に吹っ飛んだ
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