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終戦時、8才だった母は復員してきた兄の荒れた姿を覚えていた
そりゃ荒れもするだろう 勝利を信じ激務に耐えてきた それが天地がひっくり返ってしまった 空襲を目の当たりにし同胞の死を目にしながら何も出来ず、何人も、何人も先輩や同期を送り出した明日は俺が 明日こそ俺が と生きてきた 信じる物を失って放り出されてしまった 当時、特攻崩れと言う言葉があったそうだ 叔父達に向けられた侮蔑な言葉だ 負けりゃここまで落とされる‥
酒の合わない体質だったらしいが しばしば深夜に仲間を引き連れて帰ってきては祖母に酒の肴をせがんでたらしい
猛獣 と呼ばれていたらしい 相当、荒んでいたらしい 僕の知っいる叔父とは思えない話しを母から聞かされた
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