転落

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「さおり…誰か分かるか?」涙声でケンジが話しかけた。 「ケンジ?どうしてここに?ここはどこ?」 本当にすまなかった… ごめん…ごめん… とケンジの声が病室に響く… 皆の目からは涙が溢れていた。 さおりの意識が戻った事、そしてケンジの誠意… しばらく病室にはさおりとケンジの二人きり。 どんな会話をしたのか分からないけど、病室から出てきたケンジの目は自信に満ち溢れていた。 キラキラしていた。 ケンジは決心したんだ。 さおりと一緒になる事を。 ケンジはさおりの両親の元へ行き 土下座をしてこう言った。 「今回の事は本当に全て俺の責任です。本当にすみませんでした。 許して下さいとは言いません。ただ償っていきたいんです。さおりを一生かけて幸せにします。俺が絶対に守ります。 さおりと一緒にならせて下さい」 さおりの両親は涙を流し、ケンジの手を取り 「宜しくお願いします」と一言だけ言った…
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