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でも、出来なかった。
あたしは、女としてではなく、母として生きる事を心のどこかで決めてた。旦那には愛情なんてなかった。あったのは多分、情。
「ありがとう。でも晋也の気持ちには答えられん。ごめん」
『そう言うと思うた。今まで16年見てきたんやけん、お前が考える事位わかる。どうしようもなくなったら、俺の所に来い、勝手に待っとるし』
晋也はそう言って笑いながら
『みんな待ちよるし、行くかっ』
と何事もなかったみたいに歩きだした。
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