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この花火が散る頃には
あなたと笑って話ができますように。
待ちに待った花火当日。
ドキドキしながら待ち合わせ場所に向かえば
いつもの制服姿とは違う
ヒロキくんの姿。
ジーンズにTシャツでジャケットを着てるだけなのに
街を行く人たちと何も変わらない服装なのに
かっこよく見えるのは
あたしの欲目なんだろうか?
「よ、笠原早いじゃん。」
「谷本くんこそ。」
「ははは……お互い早く来すぎたな!!まだ誰もいねーの。」
この事態は。
図らずとも二人きり。
「あ、あの。」
「ん?」
「今日って、他に誰が??」
クラスの皆と仲が良いヒロキくんのことだから
きっと
たくさん女の子が来るんだろうな。
自然にそう思っていた。
「あ~、ナオヤと、玉城。」
「えっ!?」
「クラスのヤツら誘ったんだけど、なんか今時期忙しいみたいでさ。」
「そう……なんだ。」
「ん。まぁ、いいじゃん??たまには煩いヤツら抜きで遊ぶのも!!」
ヒロキくんがそうはにかんで 視線が重なった瞬間
「すんません!!遅刻しましたぁ~!!!!!」
「ち~っす!!!!」
噂の二人が現れた。
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