暗闇に咲き誇る大輪の花

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まだ花火の時間には早いからと近くのマックでご飯を食べることになった。 あたしの隣に薫ちゃん。 向かいにヒロキくん。 薫ちゃんの向かいに藤原くん。 席が落ち着いて座ると 真っ先に藤原くんがハンバーガーにかぶりついた。 「お腹すいてたの?」 思わずそう聞けば ぶはっと吹き出して 喉をつまらせる藤原くん。 ヒロキくんも薫ちゃんも爆笑していて 楽しくて 思わず顔が綻んだ。 「あ。」 「え??」 「今、声出して笑った!?」 「う、うん。」 「俺、お前が声出して笑ったの初めて見たかも。」 そんなこと言われたら。 不安になる。 あたしの今の笑顔 不自然じゃなかったかな?? やっぱり やっぱり どんなにメールしようと どんなに会話しようと 緊張するんだ。 柄にもなく ちゃんと笑えてるか 気になっちゃうんだ。 「アヤの笑顔は天下一品、だろ??ヒロキ。」 「うん、つかレアだよな。」 「レ、レアって……。」 「あ、わ、悪い意味じゃねぇから!!クラスでもそうやって笑ってて欲しいなって、そういう意味だからさ!!」 「そーだよ、アヤ。」 「もったいないッスよ。」 「そう……かな。」 人前で声出して笑うのも あんまり仲が良くない人に声をかけるのも 凄く凄く苦手だけど。 今みたいに笑ったら、 あたしに対するイメージが 良くなったりするのかな? 少しは周りに溶け込めるかな。 そんなことを考えさせる。 キミの言葉は 例えるなら、 あたしにしか効かない魔法。
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