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――二人の青年がシオン首都へ歩き出したのと同じころ、シオン首都郊外の東――
一人の茶髪かつ色黒の少年が、肩に小さな竜を乗せて、石畳の上に座り込んでいた。
「…はぁぁ~…」
少年は、目の前を行き交う人々を眺めながら、ため息を一つついた。
「仕事ねぇな……」
仕事というのは、竜使いとしての仕事である。
この少年は、この度の戦争で生活に支障が出ることを考え、村から出稼ぎにきたのだが……
「あ゛ぁーーー!!小さくて悪かったな!!」
……子どもということで、なかなか人に実力を信用されないのである。
少年はヤケクソで立ち上がり、側の小石を思いきり蹴飛ばした。
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