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蹴りを繰り出した人物は…
「…あんた、なかなかやるじゃない」
少年よりも些か背の低い少女だった。
「……はぁ?」
呆れ顔の少年。
「はぁ?じゃないわよ、私の蹴り避けたじゃない」
強気な少女。
オレンジの瞳は、しっかりと少年を捕らえている。
「いや…普通避けるだろ」
少女が着地した場所からは、うっすら煙が出ていた。
「…あんた名前は?」
「…ロウマ」
「ふぅん」
「ふぅんって何だよ…」
また呆れ顔になる少年。
「あんた使えそう」
少女は悪戯心たっぷりの笑みを浮かべた。
「……え?」
「ちょっと来て」
少女は、ロウマの腕を引っ張って、シオン首都のある方向へと引っ張って歩いていく。
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