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「…チッ…」
少女はその叫びを聞くやいなや、軽く舌打ちして、シオンの方向とは逆の方向へと猛スピードで逃げ出した。
「あ、おい!」
ロウマはとりあえず後を追い、少女の横に並んだ。
「…どこ行くんだよ」
「…いいから!あんたはシオンに行きなさい!」
「…そうかよ…ってか俺はテメーの名前聞いてねぇぞ」
「…サン=グレイ=ディオニュソス!…いいから…行きなさいよ!」
少女は、二人の後ろから、黒服の人間が4人追ってくるのを確認した。
「…っ…俺はそういう…強制みたいなのは…信用できねぇ…んだよ!」
二人は息が上がりながらも、自分の利益にしがみついている。
「…っ…いいから!金は…保証する!」
「……わかった……ありがとな」
ロウマはそう呟いた後、大人しくシオンに向かうことにし、足を止めた。
「あー金…なら、話は別だな。」
悪戯心たっぷりの笑みを浮かべて。
そして、しばらくの間、ロウマはサンの姿を後ろから見送っていたが、彼女の頬に少し赤みがさしていたことには気付かないままだった…。
…to be continued...
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